肺炎原因

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肺炎の原因 にはなにがある? 肺炎の原因から予防法まで詳しく紹介

公開日
更新日

 
執筆:山村 真子(看護師)
医療監修:株式会社とらうべ
 
 
日本人の死亡原因。その第三位に「肺炎」があげられています(2016年現在)。
 
しかし、肺炎と一言でいっても、ほとんど症状がでずに治ってしまうものもあれば、死因になってしまうような重症なものまで、症状の種類や重症度もさまざまです。
 
そこで、この記事では「 肺炎の原因 」から発症のメカニズム、予防策にはどういったものがあるのかを説明していきます。
 
 

肺炎とはどういう病気?

 
肺炎とは、「なんらかの原因によって肺が菌またはウイルスに感染してしまい、炎症を起こしてしまっている状態の総称」です。
そのため、「細菌やウイルスに感染したことで起こる全身症状」と、「肺が感染したことで起こる呼吸器症状」がそれぞれ起こります。
 
感染したことにより発熱・悪寒・頭痛・関節痛・食欲不振などの全身症状があらわれます。
また、熱が上がることで全身の血液の流れが促進されるため、脈が速くなる、呼吸数が早くなるなどの症状も起こります。
 
肺が感染したことによる呼吸器症状には以下のものがあります。
 

     

  • ・咳や痰が出る
  •  

  • ・呼吸がしづらくなる
  •  

 
人間は必ず呼吸をするため、「呼吸がしづらくなる」という肺炎の症状は、非常に辛いものです。。
 
 

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肺炎の原因による分類

 
肺炎には様々な分類があるのですが、特に知っておきたいのが「原因物質」によっての分類である、「細菌性肺炎」と「非定型肺炎」です。
 

細菌性肺炎

もともと人間の体にいる様々な細菌が、なんらかの原因によって暴れ出し、肺に炎症を起こしてしまっているのが「細菌性肺炎」です。
CMなどでよく聞くようになった「肺炎球菌」や「黄色ブドウ球菌」などが主な原因細菌です。。
 

非定型肺炎

非定型肺炎では、「マイコプラズマ」「アデノウイルス」などといった、一般的に微生物によって引き起こされる肺炎の総称です。
非定型肺炎には、細菌が原因のもの以外にウイルス性の肺炎も含まれており、「マイコプラズマ肺炎」や「ウイルス性肺炎」などが、主な非定型肺炎です。。
 
 

肺炎の原因とは?

 
それではどうして、人は肺炎にかかってしまうのでしょうか?
それぞれの肺炎について、詳しく解説していきます。
 

細菌性肺炎


細菌性肺炎の原因となる細菌は、もともと人間の体に常在しているものです。
健康な身体ならば、体の中の免疫機能が働くために肺炎を発症することはまずありません。
 
しかし、基礎体力が少ない乳幼児や高齢者や、糖尿病などの持病がある場合など、細菌に対して体の中の免疫機能が十分に働かなくなってしまっている場合、細菌性肺炎を発症してしまう可能性があります。
 

非定型肺炎


非定型肺炎の原因となる菌およびウイルスは、細菌性肺炎の菌とは違い、“人から人”あるいは“動物から人”といったような、「誰かから移されることで発症」します。
 
例えば「マイコプラズマ肺炎」では、くしゃみや咳によって“人から人”へ感染する肺炎で、お年寄りに少なく、学生や若い成人が発症しやすいといわれています。
 
 

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肺炎の予防法

 
それぞれの肺炎についてみてきましたが、どうすれば肺炎の発症を予防することができるのでしょうか?
 

予防接種を受ける

現在テレビなどでよく見る「肺炎の予防接種」というCM。これは、細菌性肺炎の原因菌の一つである「肺炎球菌」に対する予防接種です。
 
特に65歳以上では、この肺炎球菌によって肺炎を発症し、重症化してしまうことが多いため、ワクチンの接種が奨励されています。
 
ここで一つ気を付けたいのが、「肺炎球菌に対する予防接種を済ませたから、肺炎にはかからない」ということではない、ということです。このワクチンはあくまでも「肺炎球菌」にのみ有効なため、他の菌などに対しては有効ではありません。
 
 

口の中を清潔に保つ

「なぜ肺なのに口の清潔なの?」と思われるかもしれませんが、口は食べ物を食べたり息を吸うなど、外から様々なものを体内に取り入れる入り口の役目を果たしています。
 
その入り口の部分が不潔な状態だと、気管を通って肺まで細菌が入りやすい状態です。そのため、口の中を清潔しておかないと、肺炎にかかりやすくなってしまいます。そのため、食後は歯磨きをして口の中を清潔に保つように心がけるとともに、外から帰ってきたらうがいを行うことで、口の中の細菌を減らすことができます。
 

マスクを着用する

マスクは、特にくしゃみや咳などによって相手から菌やウイルスをもらうことを防ぐため、肺炎予防の観点からも効果的です。また、マスク以外にも、外から帰ったら手洗い・うがいをすることも非常に重要です。
 
 

高齢者がかかりやすい誤嚥性肺炎

 
肺炎で死亡する人の94%は75歳以上であり、90歳以上では死亡原因の2位に順位があがります。そして、高齢者の肺炎の70%以上が誤嚥に関係していると言われています。
 
誤嚥性肺炎は、再発を繰り返す特徴があり、それにより耐性菌が発生します。
そのため優れた抗菌薬治療が開発されている現在でも治療困難なことが多く、結果として、高齢者の死亡原因となってしまうのです。
 
【参考】
誤嚥性肺炎|一般社団法人日本呼吸器学会(外部サイト)
 

高齢者の誤嚥性肺炎の原因

加齢とともに、喉仏の位置が下がり、うまくものが飲み込めなくなる嚥下機能障害がおこり、咽頭、副鼻腔、歯周、口腔に常在する病原体が、唾液などとともに気道に入り込むようになり、その結果として誤嚥性肺炎が起こります。
 
元気な高齢者であっても、眠っている間は嚥下機能が低下するため、誤嚥してしまうことがあります。特に鎮静薬や向精神薬などを服用している場合、薬によって嚥下反射が抑えられているため、不顕性誤嚥を起こしやすくなります。不顕性誤嚥とは、睡眠中に唾液がジワジワと気道に流れ、肺の中まで入りこんでいくものをいい、通常異物が気道に入ったときには、咳き込んだりむせたりしますが、そのような反射が見られないのが特徴といえます。
 
また、嘔吐などによる胃液が食べ物と共に食道を逆流して起こることもあります。高齢者にとって、誤嚥性肺炎は色々なケースで起こりうる注意すべき病気といえるでしょう。
 

誤嚥性肺炎の治療

誤嚥によって細菌が肺に入った結果、症状を起こしているので、原因となっている細菌を殺す抗生物質を投与します。肺炎の影響で呼吸不全を起こしている場合は、酸素吸入や、人工呼吸器を使用しての人工的に呼吸管理を行うこともあります。
 

誤嚥性肺炎の予防

誤嚥性肺炎は適切な抗生物質の投与で治ることもありますが、睡眠中に無意識のうちに唾液が気道に流れ込む「不顕性誤嚥」を改善しない限り、肺炎の悪化や、再発を繰り返します。そのために、誤嚥を起こさないための予防策が重要となります。
 
1.飲食時の予防策
食べている、という意識付けを行うと、意識レベルの低下を防ぐことができます。。食後はすぐにあおむけに寝かせるのではなく、2時間程度、頭部や上半身をベッド上でも高くしておきます。
 
2.口腔ケア
マウスウォッシュなどで口の中の雑菌を減らします。。たとえ歯がなくともブラッシングを行い、嚥下反射を起こりやすくします。就寝前にポピヨンヨードでうがいをするのも効果的です。
 
3.嚥下を改善する薬の使用
アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)
高血圧※の薬ですが、嚥下反射物質(substance P)濃度を上昇させて肺炎を予防します。唐辛子に含まれるカプサイシンにも、同様の作用が認められています。カプサイシンの入った辛いものを食べて嚥下反射あるいは咳反射を高めておくことは、誤嚥予防、肺炎予防に役立ちます。
 
※編集部注:高血圧の症状について説明した「高血圧には自覚症状がない場合も…症状を知り早期発見を」もご覧いただけると幸いです。
 
抗血小板薬(シロスタゾール)
脳梗塞予防薬ではありますが、嚥下反射を高めて肺炎を予防する効果が認められています。
 
4.胃瘻増設や気管食道剥離術
 
胃瘻とは、お腹の上から胃に通じる穴をあけて、そこから栄養剤を入れる方法をいいます。誤嚥性肺炎予防として、回復する見込みのない終末期の高齢者、進行した認知症高齢者に胃瘻が作られるようになりました。しかし、だからといって食道や胃からの逆流による誤嚥は防げず、誤嚥性肺炎の頻度も減らないという報告があります。
気管食道剥離術とは、喉頭にあやまって食べ物が入っても、気管には決して異物などが、入らないようにするための永久気管孔を作る手術をいいます。
ライフスタイルが大きく変わる為、治療によるメリットとデメリットを考慮したうえ、医師との相談の上決めましょう。
 
【参考】
QLife 肺炎(外部サイト)
ヨミドクター 誤嚥性肺炎と胃ろう(外部サイト)
 
 

肺炎の原因 まとめ

 
肺炎は、小さい子供からお年寄りまで年齢に関係なく、かかりやすい病気の一つです。
 
たかが肺炎と思っていても、死因第三位に挙げられているように、重症化してしまうと命にもかかわってしまう恐ろしい病気です。本記事が、肺炎の治療や予防に少しでも役に立てば幸いです。
 
 
【参考】
『病気がみえる 呼吸器』(メディックメディア)
『ビジュアルノート』(メディックメディア)
 
 
<執筆者プロフィール>
山村 真子(やまむら・まこ)
看護師・西東京糖尿病療養指導士、一児&犬二匹の母親兼主婦。現在は医療系ライターとして執筆活動中
 
<監修者プロフィール>
株式会社とらうべ:医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など、専門家による、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供
 
 

編集部オススメリンク

 
関連した情報として以下のものがあります。ご参考にしてください。
 
厚生労働省サイトの中で、肺炎球菌感染症(高齢者)について詳しく説明したページである肺炎球菌感染症(高齢者) |厚生労働省は、高齢者の肺炎の原因などについて分かりやすくまとまっています。
 
厚生労働省サイトの中で、肺炎球菌感染症(小児)について詳しく説明したページである肺炎球菌感染症(小児) |厚生労働省は、小児の肺炎の原因などについて分かりやすくまとまっています。
 
「肺がんの症状 : 肺がんの分類とよくある症状について解説」
 
肺がんの末期症状 : 進行して現れる苦しい症状とは?
 
肺がんのステージ (病期)とは? その分類方法と生存率は?
 
「逆流性食道炎の薬 :症状の原因ごとに薬剤師が解説。市販薬も」

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